「東日本大震災被災地 現地取材 特別講演会」が、ABC朝日放送アナウンサーの堀江政生氏(本学客員教授)により開催(枚方キャンパス)
Date.
11/05/18
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堀江氏は現地取材で撮影した映像を通して、津波てんでんこ、少女の励まし、復旧が遅れる現場などを紹介した。そして、学生と地域住民の方々にマスコミの情報に振り回されるのではなく、集めた情報を分析し自分で判断して行動することの大切さを語った。
●津波てんでんこ
「津波てんでんこ」とは度々津波に襲われた三陸地方の歴史から生まれた言葉で「津波の時は、一人ひとりがてんでばらばらになって早く高台へ行け」という意味を持つ。釜石市では、防災教育に力を入れており、その一つが「てんでんこ」だった。釜石市での全小中学生約2900人のうち、ほぼ全員の無事が確認された。
●少女の励まし
体育館に避難しているある少女は、父を津波で失った。父は教会の神父で教会内にいた人々を救うため、逃げなかった。少女は涙を見せず、避難所の方々全員に笑顔で「辛いときこそ笑顔だよ、ファイト」と書いた手紙を配った。受け取った人々は少女の優しさに涙し、前向きな気持ちと笑顔を取り戻した。一人の少女の励ましが避難所を悲しみの涙から笑顔の涙へと変えていった。
●復旧が遅れる現場
気仙沼のような水産加工が発達した町では、魚を水揚げできればいいというわけではなく、市場、加工、冷蔵などすべてがそろって初めて復興できる。また、復興には「短期」、「中期」、「長期」のビジョンが必要で、早急に国が行程を示さなければならない。
堀江氏の講演は、日ごろの防災訓練や地域ネットワークの構築の大切さなど、深く考えさせられるものであった。
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