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国際コミュニケーション学科 村田隆志講師が監修した展覧会「再発見 日本の書画の楽しみ―暮らしに息づく山形・長谷川コレクション」が愛知県の田原市博物館で開催。11月11日まで。

Date.

12/10/03

 多くの家に床の間のない今、日本の伝統的な書や絵画は、すっかり日常の生活から縁遠いものとなってしまいました。しかし、その昔には四季折々に掛軸を変えて季節の風趣を楽しみ、婚礼や法事などの慶弔に際してふさわしい掛軸を飾ることは当たり前のことでした。また、人生訓や警句を額にして、目に入りやすい高いところに掲げたり、親交のある著名人などによる作品などを身近で愛玩することも、しばしば行われていました。

 しかし、大きく時代の移り変わった現代、この様な作品はどこで目にすることができるのでしょうか。真っ先に思い浮かぶのは、美術館や博物館ですが、多くの場合、これらの施設に所蔵されている作品は、日常生活の中で用いることを想定して収集されたわけではありません。かつて日本人の日々暮らしを豊かなものにしていた一般的な作品とは、やや性格が異なっている(異なる)ものが多いのです。昔の人々が日常的に行っていた、書画を楽しむという営みを追体験することは、今ではかなり難しいと言わなくてはなりません。

 本展は、このような状況を踏まえた上で、その欠を補う展覧会として企画するものです。江戸初期から続く山形の旧家、長谷川家で何代にもわたって愛されてきた、未公開の名品を多数含む80点もの作品を、「四季を彩る」「慶弔のこころ」「掛軸の表現力」「詩と画の交響」「別世界への憧れ」「文人・俳人・名士の筆跡」「工芸家・洋画家の一面」「長谷川家ゆかりの書画」などの様々なジャンルに分け、それぞれの見どころについて丁寧な解説を加えながら、現代の我々が失ってしまった日本の書画の楽しみを「再発見」していただく契機となれば幸いです。

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