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優秀賞【日本語エッセー部門】 世界がつながることを信じて 富山県立高岡高等学校学校 2年 嶋田 愛

ビリーブという歌を知っているだろうか。
私はこの歌に忘れられない思い出がある。

私の通っていた小学校は英語学習に力を入れていた。例えば、当番は朝の会で英語で前日の出来事をスピーチしたり、ALTの先生との話す場が多くあったり、英語を身近に感じられた。特にこの小学校はウガンダというあるアフリカの小さな国との関わりが深く、決して豊かとは言えないこの国をどうにかして手助けしたいと思い、活動してきた。まず私たちは学ぶことから始めた。そこで、日本という枠を越え視野が広がり、幼かった私だが残酷な世界の現状というものを目の当たりにした。治安が悪く内戦が続く地。不衛生な環境の中、罪のない多くの子どもたちが亡くなっている地。私たちは言葉を失った。そんな中始まったのは井戸建設プロジェクトだ。病気のことなんて気にせずに好きなだけおいしい水を飲んでもらいたい。そう考えた私たちなりの答えだった。そこで以前から行っていたアルミカン・キャップ回収をより力を入れて行った。田舎の小さな規模の小学校だったが、団結力は負けない。みるみる貯まっていき、とうとう目標に達した。そして、それは資金に換えられ、海を越えてウガンダに届けられた。

数ヶ月後のことだ。ウガンダの人々が私たちの小学校に訪問することになった。そのパーティーのために早速私たちは準備にとりかかった。日本を楽しんでもらおうと案を出し合った。そして当日、私たちは一人一人と握手を交わして迎え入れた。まず、ウガンダの方々がある写真を見せてくれた。そこに写っていたのは私たちの資金で建てられた井戸だった。水をおいしそうに飲む人々だった。その中で一際私の目をうばったのは井戸に彫り込まれていた私たちの小学校名だった。つながっているんだ。そう感じた瞬間だった。

次に、私たちは日本の伝統的な遊び、おりがみやこま、けん玉を紹介し、ウガンダの方々と楽しんだ。小学生だからもちろん単語力は乏しいし、文法も全然分からない。でも私たちには英語活動で培ってきた表現力があった。表情やジェスチャーなど全身で会話した。相手も日本語なんて分からないけれど、全力で答えてくれた。これは私にとって忘れられない経験だ。

そして最後、私たちはある映像を見た。ウガンダの子どもたちがビリーブを歌っている映像だ。それも日本語で。私たちも自然と口ずさんでいた。この曲は、人々の支え合いによって世界がつながり、未来が切り開かれていくというのを伝えてくれる。しかし今、世界中で争いが起きているという。犯罪も絶えないという。どうしてなのだろうか。みんなつながれるはずだ。信じ合えるはずだ。私は未来を信じている。

講評
小学生の頃の出来事を題材とし、決して豊かと言えない国への支援をみんなで団結して成し遂げ、現地に井戸が出来た。現地の人が来訪し、言葉が分からなくてもコミュニケーションがとれることを実感し、人の支え合いで世界が繋がっていると学んだことを分かりやすい文章で表現している。

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